2010年4月11日日曜日

山桜

オレンジの東海道線から車外を眺めると,花一杯のソメイヨシノが次々と流れていく.たまにはもうピークを過ぎて葉桜になった木々も目につく.ソメイヨシノに少し遅れて満開となる高木のヤマザクラもちらほらと見える.散り始めた花と満開の花が遠目には同じように見えるのは皮肉なものである.もっともがくまで赤いソメイヨシノは花被が落ちても赤みがかっており,白と緑のヤマザクラとはやはり異なるが.

ある素敵な家の玄関口を覗くと,床からすらっと立つ長首の硝子花瓶に大きな数枝が生けられていた.二まわりは小さいと思える花は細長い花弁を一重に纏っている.雪の残る新潟に移った一昨年の春に,農家の方から頂いた山桜と同じもののようだった.はかなく可憐だけれど野生のそれは,越後の里山に遅い春がやってきてるよと東京まで知らせてくれているようで,ベージュ色と萌黄で一面となった中にピンク色がちりばめられた八石山や櫛形山脈の情景が思い出された.同時に鼻孔には花の匂いか新緑か区別できない春山の香りが吹き抜けた.



もう少し大人になったら気持ちもソメイヨシノに帰ってくるのだろう.

でも,来週はやっと春を迎えた里山に登ろう.

0 件のコメント: