グランドキャニオンを訪れたことがある人は多いでしょう.でもここにキャンプ場があるのを知っている人はちょっと少なくなるかもしれません.キャンプ情報はさらに少なそうなので,アメリカ編2でちょっとだけ紹介したいと思います.
といってもキャンプ場はアメリカの国立公園でよく見る形です.ほどほどにプライバーが保たれ,小ぎれいです.備え付けのテーブルと焚き火場はアメリカの国立公園ではほとんど同じ様なものです.ここでは,テーブルにちょっとHammingbirdが訪れてくれたりして,どきどきすることもあります.
キャンプ場から直接谷をのぞき込むことはできませんが,端っこのサイトから100mも歩けばすぐに景観を楽しむことができ,いわゆる崖っぷちにキャンプする必要性は全く感じません.むしろ心地よいサイトから谷を望む散策路を歩く楽しみがあります.
グランドキャニオンは渓谷なのだから,あちら側とこちら側の二つの岸があるというのは当たり前のはなしです.でも,スケールが桁違いに大きいので,対岸とこちら側では行き来はほとんどできません.ラスベガスから向かうとSouth Rimと呼ばれる南岸にたどり着き,観光施設はこちらがより発達しています.
対岸のNorth Rimははるばる陸路からやってくるので,相当さびれていて夏期のみの営業ですがこちらの方が自然の趣があります.谷を望んだ景色はおそらくそれほど変わらないと思いますが,これだけ深い谷に隔てられていると,生態系がちょっと異なるようです.北側には”Silver ghost of the North Rim”と呼ばれる独自に進化したリスもいたりします.
North rimから望む
谷を望んでも反対側の施設なんて全く伺うことができず,もし橋わたしするなら瀬戸大橋級のものが必要でしょう.対岸へは直線でわずか10マイルほどですが,その間の谷は1マイルほどの深さがあって,とても陸路ではいけません.
もっとも正確に記するなら空を飛んでいく以外にもいくつか谷を渡る方法があって,谷底まで歩いていって(あるいは馬に乗って)対岸を登っていく冒険コース(徒歩なら谷底で一泊)か,橋のあるところまで数百キロの回り道をして5時間ほど車を飛ばすコースがあります.近くなのに遠いなんて,まるで志賀万座ルート(私をスキーに連れてって)みたいですね(世代的な表現とすると...).
知った風に書いてますが,北側のNorth Rimしか訪れたことはありません.
比類ない雄大な景観だけがここの特徴みたいですが,じつはこの景色を形成した地質学的な奇跡,遙かなる過去に想像をめぐらす楽しみはもっと大きなものかもしれません.ここからカルフォルニア湾の河口まではまだまだ距離があり,このあたりのコロラド川は海抜700m以上にあります.
ということは...果てしない平原から谷をのぞき込んでいるので錯覚してしまいますが,コロラド川は岸から1マイル(1.6km)下をのぞき込んでいるので,岸の標高は南側で2,400m,北側で2,700mほどになります.ちょっと高山病になる人がいても不思議ではないぐらいの高さです.そしてその2,700m地点にある最上層の地層はなんと2億年以上も前のものです.こんな高所の足下がそんなに古い土なんてちょっと不思議です.では,最下層はいつの時代まで遡るのでしょうか...?
答えは後編のGeology of Grand Canyonでお話しようと思います.
ここまで来てキャンプサイトの撮影をしようとは思いませんので,サイトの写真はほとんど残ってません.ゴールデンウイークの時期でしたが,小綺麗で,乾燥して,とにかく気持ちの良い高原サイトです.写真を見直すと,脳裏に焼き付いている自然の香りが思い出されます.まるでパブロフの犬のように.
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サイトの予約は国立公園キャンプ場,公園内のロッジ,バックカントリーなどそれぞれありますが,公園ホームページからリンクされています.ロッジは大人気であっという間にうまってしまいますが,2週間ぐらい前からキャンセルが入るので,こまめにチェックしていると予約を入れることができます.
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