どうでしょう,美しい星空ですよね.ぜひ,写真クリックで拡大して見てください.
NikonD90 & 35mmF1.8G ISO3200, f3.2 15s WB auto @庄助 in October |
写真はすごく有名な星座を(適当に)撮影しました.それと,右上に少し変わった星があるのが見えますでしょうか?
何が写っているのかが一目でわかる方は今回は読まずに飛ばしてください.星座初心者のとど達は自分で撮影したのに何座を撮ったのかもわかりませんでした.
とど達が最初に星座に興味を持ったのは今年の夏の十和田湖です.夜空に無数に見える星があり,その中に違和感のある赤い星が正面に見えました.何の星であるかは知らなかったのですが,なんとなく赤い星で有名なのはアンタレスじゃないかなと感じてました.アンタレスは蠍座にあるということも遠い記憶にありました.そうやって見ると,アンタレス周囲の星は,蠍のように見えなくもありません.そのときは曖昧なままで確認したのは後日です.
多くの皆様(失礼)と同じように,今年の夏まで星座なんてオリオン座とカシオペア,北斗七星しか知りませんでした.北斗七星がおおぐま座というのはちょっと高度な知識です.北極星は北斗の拳を読んでいた頃からなんとなしに見つけることができます.オリオン座が冬の星座であることは先日までしりませんでした.
冬にほとんど晴れることのない長岡の人たちに知っている星座を聞いてみると,面白いことにオリオン座が最初に挙ります.それだけ見つけやすい星座なのでしょう.夏キャンプの経験の多いおばさんお姉さんだけが,はくちょう座と答えてくださいました.
子供の頃いわゆる星座表を片手に夜空を見上げたことがあります.でも,星座は難解ですし,ギリシア神話なんて縁がありません.例えばカシオペア座はどう見てもWにしか見えないのです.あれからカシオペア女王を想像するなんて無理がありますよね.それになんでギリシア神話に混ざってくじらとか雄牛が出て来るのでしょうか?どう見てもくじらに見えないのに,なんでだろうと目くじらを立ててませんでしたか?
最初の写真はカシオペア座を撮影したのですが,撮影した自分でもカシオペアが同定できませんでした.星が沢山写りすぎているためと,一番上の星が一つ欠けてしまっていたからです.
下手な家族写真? |
カシオペアというのはエチオピアの女王で,ケフェウス王(星座)との娘がアンドロメダです.(クラーケンベール メヨーヨのアンドロメーダが黒人なのはそういうことです)
アンドロメダ王女を捉えていたのが海獣ティアマト(くじら座)で,こいつを退治して王女を救い出したのが勇者ペルセウスですね.(とどは先日まで知りませんでした)この時にゴーゴンの頭を利用したそうです.
これらの星座は近くに並んでいます.そしてアンドロメダ座の腰のあたりにちょっと変わった星が見えます.周囲に環のようなものが見えないでしょうか?(M31の下ですね)
これがアンドロメダ銀河(大星雲)です.最初は何が写っているんだろうと3週間ほど悩んでしまいました.なんとなく,アンドロメダ銀河だろうとは思っていたのですが,その時は星座も一つも同定できてません.それになんだか違和感もあったのです.
子供の頃から星座は嫌いでも,星の寿命,超新星,中性子星,銀河系とか読むのは好きでした.ブラックホールとか特殊相対性理論(うそ)とか...
それで,なぜか覚えていたのが以下の内容です.(括弧内は今正確とされる値)
♡天の川というのは私たちのいる銀河系.天の川銀河は直系10万光年.おなじような渦巻き(a box-like appearance)銀河である直系10(22)万光年のアンドロメダ銀河が,200(254)万光年離れたところにある.♡
天の川を見上げながら偉そうに説明したこともありますが,これにはやっぱり違和感があるのです.私たちの銀河(天の川)が10cmの野球ボールとすると,2.5m離れた 10(22)cmのバレーボール(アンドロメダ銀河)は意外に大きく見えるはずじゃないですか? でも見たことはありません.
足下も含めた全天を360度とすると,アンドロメダ銀河が見える範囲は約5度相当(視直径)になります.
=直径500cmの円周(x3.14)のうち22cmが占める割合 x 360度 = 22 ÷(500x3.14)x 360
月と太陽の視直径はほとんど同じとされています(だから皆既日食は起きるのですが).これらは0.5度とされていますので,アンドロメダ銀河は月の10倍に見えるはずですね...?
こんなに大きいものが夜空にありますか?(昔ながらの観測サイズだと直径は約半分の10万光年,月の5倍です)
以下はWIKIの抜粋ですが,大きな望遠鏡でアンドロメダは満月の6倍の広さに見えるとあります.辺縁は薄いので見えないとしても,それでも満月の6倍?の天体です.
It appears more than six times as wide as the full Moon when photographed through a larger telescope, only the brighter central region is visible to the naked eye or when viewed using a binoculars or a small telescope.
そこで同じ35mmの画角で満月を撮影して,最初の写真に重ねてみました.解説はもう必要ないですね.→の間に挟まれた(本当はもっと広いと思いますが)アンドロメダ銀河と月です.
どら焼きを真横から見たのを90度とすると,アンドロメダ銀河は77度傾いているそうです.写真は真横に近い斜め上から見たどら焼き状ですね.上から見ることができれば,でっかい円盤でしょう.
Andromeda Galaxy & the moon |
いうまでもないのですが,私たちが空に見る星はほとんど全てが天の川銀河(先の野球ボール)の中にあります.星座もプレアデス等の星団や星雲もみんなそうです.天の川として認識しているのは,どら焼きの水平面に沿った方向だけ厚くみえるからでであって,太陽系はどら焼きの中にありますので,実際はあらゆる方向に見える星が天の川銀河にあります.どら焼きの中心部を見ると厚く濃い天の川が見えますが,これが射手座の方向に観察される濃厚な天の川ですね.
天の川銀河には数千億の恒星があり,宇宙にはこのような銀河が数千?億個あるとされています.そのうちの一番近い銀河の一つが肉眼で観察できるアンドロメダ銀河で約1兆個の太陽(恒星)があると考えられています.写真の星全部が天の川銀河にあって,アンドロメダだけが別の銀河そのもので1兆個の星を見ていることになりますね.
宇宙は膨張していると考えられていますが,なぜかアンドロメダ銀河は秒速数百キロで近づいており,天の川銀河といずれ衝突するそうです(こんな感じか?).20億年後には巨大なアンドロメダ銀河が観察できるでしょうね.(もちろん,人類は...ですが)
こんなことを数週間調べているうちに,色々とおまけの知識もつきました.例えば2ユーロ硬貨の女性と牛ですが,角が生えている方(どっちだ?)は雄牛座にもなっていて,牛に姿を変えたゼウスですね.女性はオイロパです.木星(Jupiter)の6番目の月がオイロパ(Europa)ですから,ゼウス(Jupiter)とオイロパはこんなところにもいます.オイロパは読んでのごとく,ヨーロッパの語源となった女神ですので,ゼウスとともにユーロコインを飾っているのですね.
こんなことは,天体にちょっと詳しい人でしたら,当たり前すぎて読んでいて赤面されてしまうかもしれません.残念ながら,とど達には点の集まりでしかなかった写真が意味を持つのに3週間もかかりました.おなじ写真からもっともっと色々なことが分かる人たちはたくさんいるのでしょう.”見えているのに目では見えない”そんな言葉に通じる気がしました.(表題の一般的な解釈とはちょっと違いますが)
というわけで?? さーよーなーらーー
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